ホームページ(WEB)を利用した集客方法/親近感・専門性・道作りを意識する

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会計・マーケティング・システム分野をサポートするコンサルタント・三上は、経営難にあえぐ寿司屋【銚子一本寿司】のコンサルタントとなる。
利益UPと支出DOWNに成功した三上は次なる一手に動く。
決定的な欠落~集客のためのホームページがない
利益を増やし、支出をおさえることに成功した三上をねぎらって、
『今日は好きなだけ食べていってください!』
と大将がご機嫌に寿司を握ってくれている。
三上は大好物の寿司に舌鼓を打ちながらも、店内の閑散さが気になっていた。
出前の『ことぶき10貫盛り』の人気は確固たるものになったが、店に来るお客はいまだ少ない。
「まだできることはあるはずだ」、三上は頭を巡らせた。
険しい表情の三上に、
『三上さん、いつもありがとう』
とおかみさんがお茶のお代わりを運んできた。
『どうも。ところでおかみさん、【銚子一本寿司】のホームページってどうなんているんですか? 検索しても出てこないみたいなんですが』
三上はスマホを片手に、おかみさんに話しかけた。
『ああ、主人も私もコンピューターって全然わからないのよ。だから、何にもしていないわ』
『え? ホームページも作っていないんですか?』
『ええ』
おかみさんは「今更なに?」というばかりに笑顔を返した。
『おかみさん、現在では多くの人がパソコンやスマートフォンで飲食店を探します。常連さんという固定客は確かに大切ですが、新規のお客様にも知ってもらう必要はありますよ』
【銚子一本寿司】の位置する千葉駅周辺には、新興住宅街が立ち並んでいる。
そこには、若い世帯も多く入居している。
必ずしも、土地に根付いた人だけで形成されている地ではない。
新しく流入した住民を全て逃しているとしたら、機会損失もいいところだ。
ホームページ(ブログ)は必須の集客ツール
『苦手なの』
『本当に必要?』
『常連さんだけで十分では?』
などと抵抗を見せるおかみさんに、三上は「【銚子一本寿司】の良さをアピールしないのはもったいない」と力説し、ホームページの必要性を訴えた。
三上が企業の支援をする際には、マーケティングを重視している。
というか、マーケティングこそが最重要である。
そして、今の時代、ホームページは必須の集客ツールである。
苦手とか言っている場合ではないのだ。
まして、出前に強みがある【銚子一本寿司】だ。
現在、出前注文客のほとんどがネットの情報を参考にしているなかで、多くの顧客を逃していることは火を見るよりも明らかだった。
『良い店だからこそ、もっと多くの人に知ってもらって、【銚子一本寿司】のお寿司を味わってほしいんです!』
三上のその言葉に、頑なだったおかみさんがやっと頷いた。
そうと決まれば、早速作戦会議だ。
おかみさんの気が変わらないうちに、方向性を決めなければ。
おかみさんをカウンター席の自分の隣に座らせる。
このときばかりは、お客が他にいないことをありがたいと三上は思った。
集客のための生きたホームページをつくろう
ホームページの見た目は、シンプルなものがよい。
わかりやすさを重視して、アウトラインは三上がひくつもりだ。
おかみさんには、「ホームページはただ放置しておけばよいというものではない」と伝えた。
おかみさんは、明らかにピンときていない顔だ。パソコンにほとんど触れたこともなく、ガラケーで精一杯という状況。仕方あるまい。
『ホームページとは、インターネットの世界における【銚子一本寿司】のもうひとつの店舗だと思ってください。
千葉県内のこの地に【銚子一本寿司】を構えたときのことは覚えていますか?その時にやったことを、インターネットの世界に店舗を作る、つまりホームページをつくるときにもやらないといけません』
『あら、そう考えるとちょっと楽しそうね』
『そうですそうです、結構楽しいですよ。
インターネットとかホームページとか、はたまたウェブマーケティングとかSEO(エス・イー・オー)とかいうと、かなり難しい印象を受けますが、そんなに難しいことを考える必要はないんです。
千葉駅の近くに【銚子一本寿司】を構えたときに、そんなに難しいことを考えましたか?建物の工法がどうだとか、建築基準法がどうだとか、はたまたこの世の中の仕組みがどうだとかって、考えてませんよね?考えたのって、お寿司を求めるようなお客さんがそもそもいるか、お客さんにお店の存在を知ってもらうにはどうしたらいいか、お客さんが来やすくてかつ入りやすいようなお店になっているか、っていうことだと思うんです。
ホームページを作るときもそれは一緒です。建物の工法がどうとかいう専門的なことは、専門家に聞けばいいんです。今回は私がサポートしますから』
『まずは、シンプルな店舗、つまりホームページの枠組みを用意しましょう。
いきなりウン十万円とか百万円を超えるような豪華なものを用意する必要はないです。むしろ、やめたほうがいいです。たまに、お金をたくさんかけて立派なホームページを作るのが大切だと考えてる人がいますが、あるいはホームページ制作会社の営業マンにのせられちゃっている人がいますが、それは大きな間違いです。
立派なホームページを作ること“だけ”を考えている状態とは、現実世界で例えるとこんな状態です』
『あら……砂漠のど真ん中にあるからまず誰にも発見してもらえないわね。何かの偶然で知ったとしても、道路もないからやっぱり行くことはできないないわ』
『そうです。現実の店舗なら誰でも気づくことですが、これがインターネットの世界となると意外とそのことに気づかないんです。もはや集客以前の問題ですよね』
『それに、仮にヘリコプターか何かで行けたとしてもなんかちょっと入りにくいわ。看板があるから「お寿司屋さん」だってことは分かるけど…どんな店主なのか、どんなスタッフがいるのか、店内はどんな感じなのかも全然わからないし、メニューや料金もわからない。まさに勇気が試されるわね。』
『確かに事前に得られる情報量が少ないと入りずらいですよね』
『あ、でも!
もしこのお寿司屋さんの店主が職人としてものすごいこだわりを持っている人だったら、そのこだわりを私が知ることができたら、わざわざ行くかもしれないわ。自分なりのこだわりがある職人さんって魅力的だもの。
まぁ、現状だとそれもわからないからやっぱり行かないと思うけど』
『なるほど、職人のこだわりも大切ですね!
今、おかみさんが話してくれたことって、実はとても重要なポイントを含んでいます。繰り返しになりますが、ここで一度まとめておきます。重要な点は3つです。』
- 店主の顔や人間性、店内の様子やメニューなどがわかると、とても安心感が持てるし親近感もわく
- 店主のこだわりや職人としての専門性がわかると、そこに信頼感や魅力を感じる
- とにもかくにも、お店(ホームページ)にたどり着くための道がほしい。それが複数あるとなお良い
『なるほど、ホームページ作りがちょっと楽しみになってきたわ』
『今の話を大将にも話しておいてもらえますか。来週までにホームページの枠組みを作ってきますね』
書くことのフレーム(枠組み)を決めよう
おかみさんとの作戦会議から1週間後、三上は再び【銚子一本寿司】を訪れた。
『大将、おかみさん、ホームページを作ってきましたよ。ワードプレス(WordPress)という仕組みを使うと便利なので、今回はそれを使いました』
おかみさんは、三上の手元のノートパソコンを覗き込んだ。
『あら、ステキね。これで十分に見えるけど』
『いえいえ、この前話したとおり、これだと砂漠の真ん中に家を建てただけの状態なんです。
大将は、おかみさんから話は聞いてますか?』
『おう、聞いてるよ』
『そうですか、良かったです。では、復習のためにポイントだけ繰り返しますね。
集客のためのホームページは作っただけではダメで、そこに
・親近感を与える情報(コンテンツ)、
・職人としての専門性がわかる情報(コンテンツ)を盛り込み、
・そこに至るまでの道を作っておく必要があります』
『なるほど』
『ということで、ホームページのブログの部分に以下の情報(コンテンツ)を盛り込みましょう。カテゴリーは大きく3つに分けてみました。
- アットホーム寿司屋、大将と妻の徒然日記
- ネタへのこだわり〜大将eyes〜
- 検索キーワードを盛り込んだ記事(検索する人のニーズに沿った記事)』
『う~ん、何を書けばよいかしら』
『おかみさんは、“徒然日記”の部分を担当しましょう。趣味のお花の話しなどはとても良いですよ。
大将は、主に“大将eyes”の部分をお願いします。
検索キーワードを盛り込んだ記事は、少し慣れてきたらとりかかりましょう』
『お、おぅ…』
おかみさんのうなだれ~集客ホームページは長期戦
ブログを始め、10日が経った。
元来まじめな性格のおかみさんは、ほとんど毎日記事を更新している。
最初こそ、パソコン作業に戸惑いを見せたが、今ではホームページの中のブログコーナーの執筆が日課となったようだ。
『「今の時季はこのネタがおすすめ」』
『「お客様からネタについてこんな声をいただきました」』
『「今日はこんな彩の花を飾っています」』
そんなバラエティ豊かなブログが並ぶ。
文章自体は不慣れな感じが伝わってくるが、それはそれで良い味をだしている。
しかし、残念ながら、新規のお客様が訪れたり、出前の注文数が急増したりすることはなかった。
三上が【銚子一本寿司】を訪れると、おかみさんがうなだれながら話しかけてきた。
『三上さん、私の文章が下手だからブログを書いてもダメなんでしょうか……?』
どうやらすっかり自信を失ってしまっているようだ。
『いえいえ、違いますよ。おかみさんは高頻度で面白い記事をアップされています。本当に素晴らしいことです!
ブログを書いてアクセス数が増え、お客様が増えるには半年程度はかかると思っていてください。だから、根気強く続けることが重要なんです』
『根気ですか……』
おかみさんはか細い声をため息まじりで吐き出した。
SNSを使いこなそう
すっかり意気消沈しているおかみさんを前に、三上は
『SNSを始めてみましょう』
と声を掛けた。
インターネットにすら触れたことがなかったおかみさんだ。SNSのことも深くはわかっていない。
案の定、
『SNS……。怖いイメージしかないです。炎上とかいうの? そんなの嫌だわ』
というワイドショーから得た知識をもって、嫌がった。
『SNSは多くの人が使用している、人と人とをつながる本当に便利なツールです。
上手に使えば、更新したブログも多くの人に読んでもらえるようになります。
大切なのは使い方。ハサミもきちんと使えば危ないことはないでしょう? あれと一緒ですよ』
三上の説得におかみさんは渋々頷いた。
早速カウンターにパソコンを開くと、三上は【銚子一本寿司】のFacebookとTwitterのアカウントを取得した。
そして、画面をみながらおかみさんに一つずつ機能をレクチャーしていった。
やりがいにつながるSNS活用
【銚子一本寿司】のFacebookとTwitterのアカウントを、三上は一番にフォローした。
おかみさんがどのように使うか逐一確認し、問題があれば連絡を取ってサポートしようと考えたのだ。
しかし、三上の心配は無駄となる。
2週間、3週間と続けるうちに、おかみさんの投稿が生き生きとしだしたのだ。1日に何回かアップする日もある。
気づけば、フォロワーも100人をゆうに超えていた。
しかも、三上が教えたわけでもないのにInstagram(インスタグラム)まで使っているではないか。
『インスタっていうの?あれ、大学生の娘がアカウントとかの設定をしてくれたんです。娘の同級生とかは、インスタが流行ってるんですって。
勝手にやっちゃまずかったかしら?』
『いえいえ、むしろ素晴らしいことです!SNSに限らずまずはやってみることが一番です』
『それと、SNSへの文章や写真のアップは娘に電話してお願いしちゃうことが多いの。写真は携帯から送ればすぐにアップしてくれるし、自分で文章を打ち込むよりも娘に電話してやってもらったほうが断然早いの』
なるほど、確かに最近の投稿は文章がポップな感じになって、日本語の間違いもほとんどなくなっていた。
『良い連携プレイですね!この調子で続けていきましょう』
この状況に驚きながら、ふとカウンターをみると、見慣れない女子大生2人組が座っていた。
そして、「写真撮ってもいいですか?」の声とともに、お寿司とおかみさんが飾ったお花をスマートフォンで撮影した。
『お花がかわいいお寿司屋さんっていう噂をFacebookで見て、一度来てみたかったんです。ネットで値段見たら、学生でも食べられる値段だからヤッタァ!と思って』
と、おかみさんに話し掛けた。おかみさんは
『あら! ありがとう〜』
と満面の笑みだ。
唖然として眺めている三上におかみさんがお茶を運んできた。
そして、
『もうSNSが楽しくて! 昨日の投稿なんて「100いいね!」ついたのよ』
と意気揚々と語った。
おかみさん曰く、「毎日見てるわよ!」「楽しみなのよね〜」などと声を掛けられることも増えたという。
「SNSの活用は、おかみさんのモチベーションを上げることにもつながったのだな」と、隣で美味しそうに寿司を頬張る女子大生を眺めながら三上は思った。
集客ホームページには専門性がわかるブログ記事も載せよう
三上は毎日、ホームページのアクセス数をチェックし、【銚子一本寿司】を訪れた際にはそれを伝えていた。
『おかみさんがSNSをはじめてから、ホームページ(ブログ)へのアクセスが格段に増えてますよ。みてください』
三上は、ノートパソコンの画面をおかみさんに見せた。
『よくわからないけど、これは良い状態なの?』
『もちろんもっと多くアクセスを集めたいのですが、開始して1か月でこれはかなり順調です。
現状のブログへのアクセスは、ほとんどがSNS経由、つまりFacebookやTwitterに貼り付けたリンクからブログにとんできているみたいですね。GoogleやYahoo!などの検索エンジンを使った検索からのアクセスはまだほとんど無い状態です。
ところで、大将が担当している“大将eyes”はどうなってますかね?』
『まだ1記事もできてないみたいよ。ちょっと呼んでくるわね』
おかみさんは大将を呼んできた。
『おお三上さん、いらっしゃい』
『大将、ブログ記事、“大将eyes”のコーナーはどんな感じですか?』
『いや~、書こうとは思ってるんだけどねぇ。
なかなか時間がとれなくて。しかも、書きたいことがうまく頭の中でまとまらないし。それに、そもそも俺の書いたことなんて誰も興味ないんじゃないかなぁ。「あいつ変なこと言ってるよ」とか常連客に思われないかなぁ。』
『とにかく1度書いてみましょうよ。何事もやってみないと分かりませんし、誰も興味がなければ、変なことを書いたところでそもそも誰もみないですから。
おかみさんと同じように、娘さんに代筆してもらうとかはどうですか?』
『それは一度やろうとしたんですよ。けれど、最終的には「お父さんはめんどくさいからヤダ」ってフラれたみたい』
おかみさんは、けらけらと笑っている。
『大将、ちょっと提案があるんですが聞いてもらえますか』
『ん、なんだい?』
『文章を書くのって結構ハードルが高いですよね。
僕もそうだから分かるんですが、良い文章を書こうとすればするほど第1歩目が踏み出せなくなってしまいます。1歩を踏み出せば意外とその後はラクだと頭の中ではわかっていても、やっぱり1歩目が重い』
『そうなんだよ』
『そこでです、思い切って文章はライターさんに書いてもらいませんか?大将は、書いてほしいことをしゃべるだけでいいです。あとは、ライターさんがきれいな文章にしてくれます。予算は別途必要になってしまいますが』
『あら、それはいいかもしれないわ。この人、聞いてもいないのに色々しゃべってくるし。少しお酒を飲ませたほうがいいかもね』
『では、決まりです!ものは試しなんでとにかく一度やってみましょう。
大将、いいですよね?』
『んん、まぁやってみるか』
しゃべることによるブログ作成
それから数日後、三上はライター業をしている知人の佐藤さんとともに【銚子一本寿司】を訪れた。
『大将、こんにちは。この前話したとおり、今日はライターさんを連れてきました。
ライターの佐藤さんです』
『はじめまして、佐藤と申します。よろしくお願いします』
『お、おぅ、よろしく』
『では、さっそくはじめましょう。僕が日ごろから知りたいと思っていたことを聞いていくので、色々と教えていただけますか。大将が話してくれたことを佐藤さんが文章にしてくれるので』
『わかった、二人に説明すればいいんだな』
『大将、違います!
僕に説明をしてくれますか?佐藤さんではなく、僕がわかるように、僕に対してお話しをしていただけますか』
『え……それじゃ佐藤さんに失礼じゃ……』
『そこは佐藤さんも了承してるので大丈夫です』
『なんでそんなことするの?』
『ブログの記事を作る際には、「ある特定の一人」に向けて記事を書いたほうがいいんです。その「ある特定の一人」を「ペルソナ」と言ったりします。
普通は、「ペルソナ」を架空の人物として設定するんですが、今回は僕自身が「ペルソナ」です。なので、「ペルソナ」である僕に向けて説明してください。
極端に言うと、佐藤さんは理解できなくても「ペルソナ」である僕が理解できればいいんです』
大将『それだと多くの人にとっては全く興味のわかない記事になっちゃいませんか?』
『僕も最初はそう思ってました。でも違うんです!
広くたくさんの人に向けた文章って、なんだかぼんやりとしたものになってしまうんです。たくさんの人にウケるような文章を書こうとすると、結局あたりさわりのないフツーのメッセージになってしまいます。あたりさわりのないフツーのメッセージは誰にも響きません。
それに対して、「ペルソナ」として設定した「ある特定の一人」に向けた文章は、明確な意思を帯びたとても強いメッセージになります。すると、「ある特定の一人」に向けて書いたにも関わらず、広くたくさんの人に響く文章になるんです』
『なるほどね~。たくさんの人にいい顔しようと思ったらダメってことか』
『そうなんです!では、さっそく質問していきますね』
三上と佐藤は、大将へのインタビューをはじめた。
大将は最初こそぎこちなかったものの、慣れてくると話が泉のように湧き出てきた。
何十年と寿司に向き合ってきた大将の思いの強さは、三上の想像をはるかに超えるものであった。
『大将、今日話してくれた内容を佐藤さんが記事にまとめてくれます。2週間ほどお待ちください』
『楽しみにしていてください』
検索キーワードを意識した集客ホームページ(ブログ)
大将へのインタビューから2週間後、できあがった記事を持って三上は【銚子一本寿司】に向かった。
『大将、おかみさん、この前のインタビューをもとにした記事ができあがりましたよ』
大将とおかみさんは、三上がプリントアウトしてきた記事に黙って目をとおした。
『おー……俺こんなこと言ったのか。ちょっと恥ずかしいな』
『あら、こうやって文章にするとずいぶんと良いこと言ってるわね』
『大将の何十年にもおよぶ経験と思いが反映されてるので、とてもいい文章ですよね。『ペルソナ』である僕のみに向けて話してくれたので、とても強いメッセージも含まれています』
『ちょっと心が動かされるくらい良い文章だわ。私に向けて発したメッセージじゃないはずなのにね』
『それと今回は、『検索キーワード』を意識して文章の中に入れこみました。『検索キーワード』は『ペルソナ』である僕が、GoogleやYahoo!で検索する際に打ち込むであろうと予想される文言です。その予想した文言を、「キーワードプランナー」などのツールで実際の検索数をチェックしたのちに選び抜きました』
『そのあたりはまたあとで詳しく教えてください』
『そうですね。とにかく、『検索キーワード』を意識することで、GoogleやYahoo!などで検索をした人が【銚子一本寿司】のホームページを訪れる可能性が高くなるんです。現状は、FacebookやTwitterを経由してくる人がほとんどを占めてますが、そこにあらたに大きなルートが加わるイメージです』
『なるほど』
集客ホームページの更新はこれからも続く
『今回やったことをまとめると次のようになります。
<その1>
まずおかみさんに担当してもらった『アットホーム寿司屋、大将と妻の徒然日記』によって、読んでくれた人に親近感を与えています。これにより、【銚子一本寿司】に一度も来たことがない人でさえ、親近感や安心感を感じてくれるようになります。既に、おかみさんにファンができてましたよね。
<その2>
次に大将とライターさんの二人三脚でつくりあげた『ネタへのこだわり〜大将eyes〜』は、職人としての専門性の高さのアピールになります。専門性は、黙っていても伝わる部分もなくはないですが、やはりブログ記事という具体的な形に仕上げた方が圧倒的に多くの人にしかも正確に伝えることができます。それによって信頼感や魅力を感じてもらえるんです。
<その3>
最後に、FacebookやTwitter、おかみさんが自主的に取り入れたインスタグラム、さらに記事に「検索キーワード」を意識的に取り入れることにより、【銚子一本寿司】のホームページを訪れるための「道」をたくさん作りました。“独りよがりに作成した記事”をホームページにアップしただけでは、誰も訪れてはくれません。意識して「道」を作る必要があるんです。』
『ひとつひとつに意図があったのね』
『そうです。これらのことをやると【銚子一本寿司】のホームページはこんな感じになりますよ』
『あら、“砂漠”にあったはずのお寿司屋さんがだいぶ変化したわね。これならお客さんもたくさん来てくれそうだわ』
『現状はまだこの状態にまでは至ってませんが、確実に近づきつつあります。ぜひ取り組みを続けていきましょう!』
『そうだな、イメージがわいてきたよ。イメージできたらやる気も出てきた。三上さん、またライターの佐藤さんを呼んでくれないか』
『私もインスタに投稿するネタを探さないと』
ホームページのブログコンテンツは益々ふえていきそうだ。
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